オルゴールの癒し効果~その根拠と情報について~まず、私どもではオルゴールを療法用に扱っているわけではありません。また、個々の病気の治療に効果があると推奨することもありません。 しかし、「認知症予防に効く」という報道があったり、オルゴールに「癒される」という人が多いのも事実ですので、簡単なご紹介をさせていただきたいと思います。 ※高周波音効果という表記だと単に高い音を聞いた際の効果だと誤解を招きかねないというご指摘があったので、可聴域(20khz)を超える高い高周波という意味で、『超高周波音の効果』もしくは『超高周波音効果』に訂正しました(2022年4月15日更新) ●超高周波音の効果について
2000年、当時千葉工業大学の教授だった大橋力氏が、人間は音として認識出来ない『20khz以上の高周波音』も身体で感じることが出来、高複雑性超高周波(40khz以上)を含む音はリラックス・ストレス軽減・免疫力増加などの癒し効果が確認出来たとして『ハイパーソニック・エフェクト』を米国生理学会の学会誌で発表しました。 対象者に超高周波音がある音楽とない音楽を聞き比べてもらったところ、個人差はあるものの、先述の効果が科学的に見られたということです。また、ジャングルなど自然の多い環境の他、高級オルゴールやバリ島のガムラン音楽などが超高周波音を多く発生させるのが分かり、実験にはオルゴールも使われました。 CDやMP3ファイルなどのデジタル音源が全盛の現在でも、オルゴールや蓄音器、アナログレコードの音など耳に聞こえない高周波音を多く含んでいる媒体のほうが「なんとなく良い」と主張する人が少なからずいます。その「なんとなく良い」を実証したのが、ハイパーソニック・エフェクトだと考えられます。
参考:文明科学研究所サイトより(大橋力氏が所長。論文の概要なども掲載されています)
●認知症の予防効果について
大橋力氏の見解ではありませんが、2018年3月に放送された健康番組『健康カプセル!』では白澤卓二氏(お茶の水健康長寿クリニック院長)がオルゴールを使った認知症予防法について解説をし、「安価なオルゴールでも超高周波音が発生しており、側頭葉の聴覚野が刺激され認知症予防に良い」との報道がありました。実験に使われていたオルゴールも、日本電産サンキョーの一般的な18弁メカでした。 参考:Youtubeより(テレビ番組の部分抜粋)
●オルゴール療法について
オルゴールの癒し効果に注目していたオルゴール輸入販売業の佐伯吉捷氏(オルゴールは脳に効く著者)が、大橋氏の研究結果を様々な病気に効く万能薬のように解釈し、自身の研究に取り入れたのが『オルゴール療法』だと思われます。超高周波音が多く出ているオルゴールを定期的に聞くことにより脳に働きかけて心身を正常に戻す療法といわれています。インターネット上には「症状が良くなった」という体験談が散見され、オルゴール療法を実際に行っている病院もあります。雑誌などで鬱や癌、アレルギー、不眠症など様々な改善例が掲載されています。 しかしながら、体験談ばかりで療法としての科学的検証はほぼされていないといってよく、大橋氏のような専門家がアドバイスしている様子もなく、大規模な臨床データは見当たらないため、現在のところ民間療法に近いものだと思います。 ……とはいえ、数件の病院で導入されていたり「改善した」という人がいるのも事実ですから、何らかの効果があっても不思議ではないようにも思えます。オルゴールを聞くだけでよいので、基本的に副作用がないのが最大の特徴です。リラックスして精神が落ち着いたり、身体がポカポカして発汗したり、寝付きが良くなったという話は聞いたことがあります(それが病気に効果があるのかは分かりません)。 効果には個人差があるということですので、療法目的というよりは、癒されたらいいなあ、程度でお買い上げいただくのが、よろしいと思います。また、オルゴールは高級なものでも毎日長時間演奏するということは想定していません。普通の使い方より壊れやすくなると思いますし、メーカーの保証対象外になる場合があります。ご留意ください。
参考:日本オルゴール療法研究所サイトより(佐伯吉捷氏が所長)
●オルゴール療法の方法?
私どもが特に詳しいわけではないので、伝え聞く話をご参考程度に。 ・聞く時間は、出来るだけ毎日15分程度~?(リュージュ社の72弁シリンダーオルゴールを最後まで巻くと、十数分演奏するので、それを基準にしているのだと思います。サンキョー社の50弁以上のシリンダーオルゴールはゼネバと呼ばれる巻き過ぎを防止する部品が付いているので、十数分演奏するには2~3回巻きなおす必要があります。また、これは想定された使用方法を超える使い方だと思われ、メーカーの保証対象外になる場合があります) ・頭や患部の近くで聞いた方がよい?(超高周波音を伝えるため?) ・不眠に悩む人は、寝る前に聞くとよい?(寝つきがよくなるようです) ・オルゴールにタオルを巻いて、顔や身体をつけて骨伝導で聞く方法も?
●オルゴール療法向きの超高周波音を出すことが出来るといわれているオルゴール
(オルゴール専門店オルゴール屋HP内) 曲は『カノン』が定番とされています
その他には、アンティークの比較的大型のもの(?)など (実は数千円台の安価なオルゴールでも超高周波音は出ているには出ているようですが、オルゴール療法には更に高い超高周波音を出せたり、音楽性を求める必要があるのか、推奨されていません。しかしながら、18弁の安いオルゴールでも聴覚野が活性化されるとの内容が2018年3月にTBSの番組「健康カプセル」で放送されました)
●(番外)オルゴールのゆらぎとは……?
1/fゆらぎ(えふぶんのいちのゆらぎ)というと、普通の人が聞いても「何のことやら……」という感じだと思います。 ざっくり説明してしまうと、人間は完璧な音楽より、ほんの少しずれた音やパターンの音楽の方がよく聞こえるという説です。オルゴールは機械なので完璧な演奏をしている……と思っている方もいますが、よく聞いてみると、音程が多少ずれているものもありますし、ゼンマイを利用しているので速度の変化や弾き具合の緩急もあります。 結果として、どんなに高いものでもどうしても細部の『ズレ(ゆらぎ)』が生じてしまいます。そのため、1/fのゆらぎに該当するという人がいるのです。 あとは、音楽の曲自体がパターンの中に意図的にゆらぎを生じさせている場合もあります(モーツァルトの曲などが代表的です。この場合は、別にオルゴールでなくてもいいのですが……)。 人間の場合は、完璧に音を合わせられる人より、ほんの少し音痴の方が良いといわれています(ミーシャ、美空ひばり、宇多田ヒカル、松任谷由実などが該当するそうです)。 上手いけど面白みがないと評価されてしまうアーティストは、もしかしたら音が正確すぎるのかもしれませんね。
■下記に、メディアでの特集などをご紹介させていただきます■ |
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2018年3月25日TBS「健康カプセル!ゲンキの時間」 | ||||||
オルゴールの音には高い高周波音(3万~5万ヘルツ)が含まれており、それが脳内の聴覚野を活性化することにより、認知症予防につながるとの内容でオルゴールの紹介がありました。 18弁オルゴールとCDとを鳴らして実験すると、オルゴールからは超高周波音が出て聴覚野が活性化したが、CDは超高周波音がないため脳の活性化が見られませんでした。
参考:健康カプセル!ゲンキの時間(CBCテレビのアーカイブより) |
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朝日新聞社2009年7月16日 夕刊社会面 高周波音で街快適 | ||||||
参考:高周波音で街快適(静かな街を考える会の新聞記事リストより) |
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日刊工業新聞社2009年7月8日 モノづくり推進会議/核心インタビュー | ||||||
参考:核心インタビュー 脳科学から見たモノづくり(ものづくり生命文明機構の記事リストより) |
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NHK「ゆうどきネット」(2009年9月2日4時50分~6時放送)で高周波音に関する番組を放送 | ||||||
彦根市の商店街で集客のために高周波を含んだBGMを利用。町の人の声「気持ちいい」、「いやされる」。 また、大橋先生が脳に影響を与える脳波を調べるために、超高周波音を含む音と含まない音で脳波測定をし、その画像と結果が紹介された。町の騒音(超高周波を含まない)を聞くとアルファー波が少ないが、超高周波が含まれる熱帯雨林の音を聞くとアルファー波が強く出た。そして、基幹脳の血流が増え、活発になった。そのことにより、ガン細胞の増殖を抑制する力が増すとの事でした。 高周波音を含む音として、祇園祭の金属楽器・川のせせらぎ・虫の声・鎮守の森が紹介されました。
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「安心」2011年9月号、2012年1月号 (脳の血流を促す革命的治療法!、脳に効き心身を癒す奇跡の倍音 スイスオルゴール) | ||||||
改善例を紹介。高血圧・甲状腺疾患・難聴・胃ガン・うつ・低体温・頭痛・花粉症・子宮腺筋症・湿疹・寝付きなどなど……。 複数の病院、クリニックで改善例が続々報告されているとの記事「スイスオルゴール」が掲載されていました。 |
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社団法人 日本機械工業連合会・財団法人 デジタルコンテンツ協会 平成18年3月 平成17年度ハイパーソニックデジタル音響システムに関する調査研究報告書 第3章 | ||||||
ハイパーソニック・エフェクトの脳波を指標とする検証実験
参考:ハイパーソニックデジタル音響システムに関する調査研究報告書(日本機械工業連合会サイトより) |
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脳に効き心も体も癒されるスイスオルゴールCDブック 平成23年11月15日発行 株式会社マキノ出版 | ||||||
豊かな倍音が脳幹を刺激し体調回復! 医師も推奨、病院、クリニックで驚きの改善例が続出! |
大人の科学magagine vol.20 2008年7月10日発行 株式会社学習研究社 | |
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↓ハイパーソニック・エフェクトは2000年に発表されました | |||||||
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↓オルゴール療法は一部医療機関で実践されています | |||||||
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